家族で運営する会社の経理を担当しながら、空いた時間を使ってホストをこなしているTaekoさん。ホストを始めて半年足らずにも関わらず、すっかりその楽しさの虜になっているという。「英語もわからないし、近隣の方に迷惑がかかるのではという抵抗感もあって、最初はやらないって言ってたんですけどね(笑)。でもゲストと交流を重ねるなかで、それは全くの杞憂だったと気づきました。チェックアウト直後でも部屋は驚くほど綺麗ですし、なかにはシーツを洗濯してくれるゲストまで……。私たちへの気遣いに感激させられます」。
Taekoさんはゲストを食事に招待することもしばしば。「昔から人が集まる家だった」という自宅に、今では世界各国から旅人が訪れ、家族と一緒に食卓を囲む。日本という国を選び、そして何万とあるリスティングの中から我が家を選んでくれた偶然。それを思うと、彼らをもてなしたい、旅の思い出づくりを手伝いたいと感じずにはいられないとTaekoさん。「我が家に外国の方をお迎えするという素晴らしい機会が持てる驚きと喜び、感謝でいっぱいです。いつか、うちに来てくれた世界中のゲストを訪ねる旅に出られたら素敵だなって思っているんですよ」。
Taekoさんが所有するリスティングの内1軒は、桜新町の静かな住宅街にある。周囲を緑豊かな公園が囲んでいるため、子連れのゲストに喜ばれるそう。
Taekoさんのリスティングは、我が家のように寛げる空間。当初は「おしゃれにしなくては!」と思ったこともあったが、結局は「自分が居心地いい部屋にしよう」と考えをシフト。気取らないインテリアがゲストに好評だ。
ホストとしての活動は一家総出。縁遠くなっていた“家族一丸で協力し合う”という感覚も、ホストを始めて感じた魅力だそう。チェックアウト後の掃除には、5歳になるお孫さんも一緒に。
食事会では家族全員でおもてなし。定番メニューは手巻き寿司で、Taekoさん一家から巻き方を教わると、ゲストはとても楽しそうにチャレンジしていた。日本文化に詳しい次女が習字を教えたり、食後にお抹茶を振る舞うことも。
大正時代、多摩川の水を渋谷へ送るための施設として造られた双子の給水塔で「せたがや百景」に認定。敷地内への立ち入りはできないが、周囲からもレトロモダンな風貌を望める。「年に数回ライトアップされるのですが、とても美しいですよ」。
「我が家がよく行く店で、自家製粉を使った手打ちそばがリーズナブルにいただけます。お勧めしたゲストも、行くと必ず満足してくれますよ」。焼肉屋からスタートした店のため、七輪で焼肉を食べることもできる。写真は「板そば」。
住所:東京都世田谷区駒沢3-18-2 オザワビル2F
TEL:03-3410-8929
昭和14年創業。新鮮で安くて毎日食べたくなる魚が豊富にそろい、開店前から行列ができる地元の名店。「刺身を買って食べたり、カニを茹でて食べたりしたゲストもいました。並んででも買う価値のあるお店ですね」。
住所:東京都世田谷区新町2-1-11
TEL:03-3411-2400
先にAirbnb(エアビーアンドビー)を始めていた弟に勧められました。最初はためらっていたのですが、外国の方と触れ合うことの楽しさが得られること、また長女も一緒にやってみたいと言ってくれたこともあって始めてみることに。
感謝の気持ちを受け取ったとき。非常時用の連絡先を書いたホワイトボードにゲストが次々と御礼の言葉を書いてくれるようになり、その言葉を読んでは喜びをかみしめています。
2歳の双子を連れたご夫婦を迎えたとき、彼らがリュックを成田エクスプレスに置き忘れたことを知りました。くたくたに疲れていた夫婦を部屋に案内した後、主人と一緒に、忘れ物が保管されている終点の大宮まで車を飛ばして取りに行ったんです。夜の23時頃にリュックを届けたときのご夫婦の驚きと喜びの顔を見て、私たち家族もようやく安心しました。
英会話、インテリア、接客、リスティング用の写真の撮り方など、今まで意識しなかった分野に興味がわくようになりました。還暦を超えた私への快い刺激となって、世界が急速に広がりましたね。
この年でホストをすることは、子育てや主婦としての経験を活かすことです。自分が当たり前にやってきたことでゲストを迎えることができるので、リタイア後の世代には最高の楽しみですよ。