Airbnb法人プログラムの導入で
社内コミュニケーションが活性化

株式会社メルカリ PRグループ総務担当 細谷杏さん(左)
株式会社メルカリ PRグループ総務担当 田中裕志さん(右)

2017年10月2日掲載

近年、Airbnbの「Airbnb法人プログラム」を選ぶ企業が増えている。これは国内外での出張や研修などで、宿泊やミーティングをする際にAirbnbを利用する人が増加しているということの表れ。国内でのダウンロード数が5000万を突破したフリマアプリで知られる「株式会社メルカリ」は、「Airbnb法人プログラム」をいち早く導入。その導入に至った背景など、PRグループの総務担当のおふたりに伺ってみた。

メルカリのエントランス。CMやイベントで使われたアイテムや、アーティストの作品が並べられている。
メルカリのエントランス。CMやイベントで使われたアイテムや、アーティストの作品が並べられている。

出張管理の手間が大幅に削減され、社員からも好評

Q:まず、Airbnb法人プログラムを導入することになった経緯を教えてください。

まずAirbnbも弊社も、“個人間で簡単&安全に取引をするプラットフォームを運営する”という点でお互いに進化し続けており、せひ弊社でもAirbnb法人プログラムを導入してみたいと思っていました。導入から1年になりますが、社員からも好評です。Airbnbには、ホスト(家や部屋を貸す人)の評価があり、安心して社員を出張に送り出せる仕組みが整っています。社員は、出張の期間や目的に合わせ、自分に合う“掘り出し物”を見つけています。これはメルカリと共通する部分だと感じます。実務面では、出張管理の手間も減りました。個別にその都度精算しなくてよくなり、社員のアカウントに紐づけておけば、会社に直接請求書が来るという仕組みだからです。このようなC2C(Customer to Customer)のサービスは、これからも広がっていくと感じています。(細谷さん)

田中さんは、「予算や条件など、社員が自ら選べるうえ、選択肢が広がること」も、Airbnbを導入したメリットだと語る。
田中さんは、「予算や条件など、社員が自ら選べるうえ、選択肢が広がること」も、Airbnbを導入したメリットだと語る。

Q:実際にAirbnbを使った社員の間で、変化があったそうですが。

そうなんです。まずはお互いのコミュニケーション量が以前より増えたそうです。基本的に出張に行くのはエンジニアのチームが多いのですが、彼らが同じ部屋を借り、ちょっとしたコミュニケーションを自然発生的にすることで、今までよりお互いの理解が深まったと聞いています。それぞれの気持ちもリラックスするし、仕事とはいえ、いい意味でリフレッシュになったようです。あとは、オフサイト会議(オフィスから離れて会議をすること)の場所としてもAirbnbを使っています。会議室で行うような無機質な空間での会議ではなく、普段とは違う雰囲気の中でのオフサイト会議になるため、チームビルディングにもよい効果があるようです。(田中さん)

出張の目的に応じて、多様な選択肢から選べるAirbnb

Q:自分で予約するというスタイルに、戸惑いの声はありましたか?

全くありませんでしたね。生まれて初めての海外渡航だったという社員もいましたが、意外とスムーズに予約でき、安心して出張を終えて帰ってきました。オフィスのあるサンフランシスコやロンドンへの出張が今のところ多い傾向にありますが、基本的に予約はそれぞれの社員に個別にしてもらっています。Airbnbは、目的に応じて多様な選択肢があり、きちんと選べば、セキュリティやWi-Fiも整っているリスティングが多いこともあって、安心して出張に使えるとの声が中心です。グループ出張の場合は、大きな家を丸ごと借りた社員もいます。仕事が終わってから、皆で自然とリビングに集まって話ができるなど、チームビルディングにも有効だったようです。実際に、経営合宿でもAirbnbで家を探し、役員陣が集まって話し合ったこともありました。(細谷さん)

実際にAirbnbを利用して出張に行かれた社員の方々。Airbnbを利用して勉強になったことやメリットを伺うと、「海外の物件を選びながら、向こうは日本以上に”評価”というものが重視されている社会だと実感できた点ですね」と語る。
実際にAirbnbを利用して出張に行かれた社員の方々。Airbnbを利用して勉強になったことやメリットを伺うと、「海外の物件を選びながら、向こうは日本以上に”評価”というものが重視されている社会だと実感できた点ですね」と語る。

Q:Airbnbを導入したことで会社としてのメリットとはなんでしょうか?

総務の手間が省けたことは一番大きいですね(笑)。また、それぞれのチームビルディングにつながるといったメリットもあります。さらにいえば、社員がその地域の現地の人に近い生活ができるので、その国の文化を自然と学んだり、肌で感じられることも利点だと思っています。例えば、日用品に何を選ぶのか、ポストの大きさはどうか、好まれる色彩やデザインはどんなものか……。こういった、地元ならではの生活する中で感じてきたことは、言葉にせずとも自分の中に蓄積されていき、仕事にも活きて来ると考えています。こういうことを知りつつ、コミュニケーションできるというのは、仕事のみならず、プライベートでも活きてきますよね。(田中さん)

Q:実際に利用した社員さんの、リアルな声も教えて頂けますか?

社員の中には、長期の出張であるほど快適だったと語っています。ホテルとは違い、普段づかいできるレンジや冷蔵庫、洗濯機など生活のベースとなる必需品や環境が整っているため、非常に快適に、暮らすように過ごせたと語っていました。また、1週間から3か月程度と、チームやメンバーによっては長期滞在になることもあるので、自宅にいるような感覚で、生活しながら出張できる点は精神的にもいいように感じています。(田中さん)

出張で約2ヶ月間、複数名で滞在したメンバー。市内のMarina地区にあるアパート(日本でいうところのマンション)は、お洒落で立派なダイニングがあり、料理器具や調味料類も自由に使えたため、料理が得意なメンバーがパスタなどをふるまったそう。
出張で約2ヶ月間、複数名で滞在したメンバー。市内のMarina地区にあるアパート(日本でいうところのマンション)は、お洒落で立派なダイニングがあり、料理器具や調味料類も自由に使えたため、料理が得意なメンバーがパスタなどをふるまったそう。

Q:今後はどのようにAirbnbを活用していく予定でしょうか。

現在、うちの会社内でのAirbnbの情報交換やコミュニケーションが活性化しているため、今後も引き続き利用を促進し続ける予定です。Airbnb法人プログラムを導入してから、社内のチャットチャンネルが以前よりもアクティブになったんですね。Airbnbで実際に利用したホストの情報が、「あの部屋はこんなところが良かった」「最寄りの駅からどうだった」「大人数でも大丈夫」といった、当社でならではの視点での感想が集まっているので、この情報を総務でまとめ、今後活用していくつもりです。さらに今後は、出張はもちろん、合宿などの取り組みにも活用し、日帰りのオフサイト会議用の利用なども考えています。社員間のコミュニケーションを密にすることは、会社全体の一体感にもつながりますし、まずは総務で積極的にAirbnbの利用促進を計画していきたいと考えています。(田中さん)

社内情報共有のサイトには鍵の受け渡し、シャワーの出、ホストの親切さ、オフィスからの距離などのポイントが書かれている。
社内情報共有のサイトには鍵の受け渡し、シャワーの出、ホストの親切さ、オフィスからの距離などのポイントが書かれている。
株式会社メルカリ

株式会社メルカリ
日本最大のフリマアプリ「メルカリ」を運営する。2013年7月発表以来、順調に成長し、日本でのダウンロード数は5000万ダウンロードを突破している。1日の出品数は100万品以上、月間流通額は100億円以上。アメリカとイギリスにもオフィスがある。

https://www.mercari.com/jp/