特区民泊専用マンションを第一歩として高まるインバウンドのニーズに対応していく。

プレサンスコーポレーション
取締役 建築事業本部長
多治川淳一さん

2019年5月23日掲載

大阪市に本社を構えるプレサンスコーポレーションは、ファミリー向けの分譲マンションと投資用のワンルームマンションを主力商品とする総合マンションディベロッパー。不動産経済研究所が発表した「2018年全国マンション市場動向」では、事業主別マンション供給戸数で全国2位、近畿圏で9年連続、東海・中京圏で7年連続1位を獲得した。そんなプレサンスコーポレーションは2018年11月にAirbnbと業務提携を開始。2025年開催の大阪万博や、IR(統合型リゾート)の誘致などにより、今後一層の盛り上がりを見せるだろう大阪で、どのような展望を描いているのか、取締役建築事業本部長の多治川淳一さんに話を聞いた。

「我々プレサンスコーポレーションは、交通の便がよく、住居として最適な、立地条件のいい都市型マンションを中心に展開しており、本社のある関西圏だけでなく、東海・中京圏のほか、東京など関東圏、東北、北陸、広島、福岡、沖縄にもエリアを拡大中です。そんななか、3年ほど前からホテル事業もスタートしまして、2018年8月には京都市東山区で『CAMPTON KIYOMIZU led by pressance』をオープンしました」

外国人旅行者に人気の観光スポットである清水寺に程近い、産寧坂伝統的建造物群保存地区に町家を新築。街並みに溶け込む木造建築で、中長期滞在者にも便利な機能的なミニキッチンやダイニングテーブル、洗濯機などを完備する。

オープンして間もない簡易宿泊施設ではあるが、京都の街がもっとも賑わう紅葉や桜の季節は、ほぼ満室と好調。一部屋で最大で6人が宿泊可能ということもあり、主に外国人旅行者によるファミリーでの利用が多いという。

そういったホテル事業を展開していくなかの一つで、現在開発を進めているのが特区民泊運営型の新築マンションだ。

国家戦略特区に指定されている大阪府では、2016年4月から特区民泊を開始しており、区域内にある宿泊施設は旅館業法の規定を適用されることなく、自治体ごとに条例を定めることで住宅宿泊運営が可能となった。

また、大阪市も2016年10月に特区民泊を開始し、2016年12月に宿泊日数制限が6泊7日以上から2泊3日に緩和されたことで、2019年1月発表の内閣府地方創生推進事務局のデータによると、全国でもっとも特区民泊認定件数が多い自治体となっている。

「特区民泊専用のマンションについては数年前から検討していたんですが、法整備が落ち着き、条件に合う土地が見つかり、ようやく実現に結びつきました。民泊用の部屋は、もともと我々が得意としているワンルームマンションと規模が近く、使い勝手の良い物件開発ができると考えていました」

今回、特区民泊専用マンションを建てることになったのは新世界エリア。バックパッカーなどの外国人旅行者の増加に加えて、南海電鉄による外国人向け就労支援施設や、星野リゾートによるホテル開発などにより、注目度が高まっているエリアだ。

開発中のマンションはインバウンドを主なターゲットとしており、より多くの外国人旅行者が利用しやすいよう、イスラム系の旅行者のためには礼拝用の祈祷室も用意。

新世界エリアは今後、海外から日本へ旅行目的で訪れた人にも、仕事で訪れた人にも、さらにオープンでフレンドリーな地域になっていくことが期待されている。プレサンスコーポレーションは、この特区民泊専用マンションが、大阪の街が変わっていこうとする大きな波のひとつになると確信している。

「そこで我々としては外国人旅行者の集客力において、Airbnbに期待しているんです。アメリカ留学中の私の息子も、よくホームシェアリングを利用しているらしくて、話を聞くたびに『上手く、手軽に、旅行しているな』と感心しています。息子のような若い世代を中心に、ホームシェアリングの利用はこれからも伸びていくと思います」

計画段階から大阪市と相談しながら進めている、ディベロッパーによる特区民泊専用マンションは自治体でも初めてのこと。将来的に、旅行者の需要が減った場合には共同住宅として活用できるように設計されているという。

IRの誘致が期待されるなか、2025年に大阪万博を控え、大きく変わろうとしている大阪の街。インバウンドに関わるニーズは、さらに高まっていくことが予想される。

「開発に関しては、全国を視野に入れていますが、実は大阪市内で、特区民泊専用マンションの第二弾も進行中です。大阪メトロ中央線やJR桜島線などの延伸も予定されていますし、湾岸エリアもこれから変わっていくでしょうね。そこに住宅を建てるのか、宿泊施設を建てるのか、世の中の動向を見ながら開発を進めたいと思います。そして宿泊施設に関しては、やはりこれからもインバウンドのニーズを意識して進めていきます」

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プレサンスコーポレーション
1997年創業、大阪市に本社を構える総合マンションディベロッパー。関西圏から東海・中京圏、首都圏、東北、北陸、中国、九州、沖縄まで、全国で都市型マンションを供給している。さらにはホテル事業のほか、海外でも住宅・商業施設を含む大規模プロジェクトを展開。