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久志の民泊×Airbnb 交流会レポート

  • 2017年8月1日

2017年6月某日。沖縄県名護市の東海岸にある「久志」と呼ばれる地域で、同地で実施されている民泊と、沖縄県内でAirbnbのホスト務める人たちとの交流会が2日に渡って行われた。Airbnbホストは久志について、久志の民泊の人びとはAirbnbについて教わり、親交を深め、新しいコミュニティをつくることが開催の目的だ。

お揃いのポロシャツを着た、久志の民泊の方々。可愛らしいロゴ、パンフレットを自らつくり、都会にも積極的にアピールをしている。

お揃いのポロシャツを着た、久志の民泊の方々。可愛らしいロゴ、パンフレットを自らつくり、都会にも積極的にアピールをしている。

交流会のはじめに行われた自己紹介で一番の話題となったのは、やはり言葉の壁だ。久志の民泊の方々から上がる質問に対し、Airbnbのホスト側は、共通の言語を喋れなくてもスマートフォンのアプリやジェスチャーを駆使し、コミュニーケーションをとっていることを紹介。大切なのはもてなしの心。そのことを聞き、久志の民泊の人びとは胸をなでおろした様子だった。

引っ越しを機に、ゲストルームをリスティングとして活用するようになったAirbnbホスト金城さんご夫妻。海をゲストと共に掃除したりと、いつも外国人の優しさを感じているそうだ。

引っ越しを機に、ゲストルームをリスティングとして活用するようになったAirbnbホスト金城さんご夫妻。海をゲストと共に掃除したりと、いつも外国人の優しさを感じているそうだ。

沖縄県の中部に位置する久志の人口はおよそ4300人。陸を経てちょうど真反対にある、観光地として知られる名護とは対称的に、目立ったスポットがあるわけではないのだが、その代わりに手つかずの豊富な自然が残されている静かで落ち着いた場所だ。

現在、日本には多くの過疎市町村があり、なかには街としての機能を失ってしまった限界集落と化してしまったところも少なくない。久志も同様の問題を抱えており、その解決策として今、積極的に取り組んでいるのが民泊である。

現在、久志で民泊を行っている家庭は13軒。それらは別々に運営しているのではなく、約5年前から「久志の民泊」という名の元でひとつのグループを結成し活動しており、窓口が設けられ、それを介し利用者の目的や人数などにあわせて、各民泊に割り当てるシステムを取っている。当初の多くは修学旅行生だったが、段々と一般利用者が増え、昨年受け入れた1200人程度のうち、およそ1割を占めた。しかも稀にではあるが、外国人の利用者もいたそうだ。この部分にさらなるレベルアップの糸口があると考えられる。

1日目のディスカッションが終わり、Airbnbホストは久志の民泊にお泊り。各々がそれぞれの時間を楽しんだようだ。

1日目のディスカッションが終わり、Airbnbホストは久志の民泊にお泊り。各々がそれぞれの時間を楽しんだようだ。

2日目に行われたワークショップでは、参加者たちが考える久志の魅力やAirbnbのホストをする上で大切なことを意見しあった。

2日目に行われたワークショップでは、参加者たちが考える久志の魅力やAirbnbのホストをする上で大切なことを意見しあった。

旅をする全世界の人たちが求めていることは、都市にない温かさだ。街を蘇らせるためにわざわざ何かをつくる必要はない。久志には優しい人、豊かな自然、美味しい食事があり、それが何にも代え難い財産、魅力になっている。ありのままでいることが産業になる。民泊、Airbnbにはその可能性が秘められていることがわかった2日間であった。

今後「久志の民泊」は、修学旅行生だけにとどまらない民泊の活用の形の検討も地域で積極的にはじめ、今回交流されたAirbnbホストと継続して情報交換を行い、地域を超えて協力していく予定だ。