Tカード提示で東北の子どもたちに笑顔を。

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地域のおもい

  • 宮城県・南三陸町
  • 岩手県・釜石市
  • 宮城県・東松島市
  • 福島県・相馬市
  • 福島県・南相馬市
氏家 浩文さん 保健福祉課 こども家庭係長 氏家 浩文さん 保健福祉課 こども家庭係長

5年間での1番の変化は、道路や土地関係の整備ですね。道路はだいぶできてきましたし、高台の造成も進んできました。町が復興している感じはします。また、一番の産業である漁業に関しても新しい市場ができ、養殖業は震災前に近い形に復旧してきました。子育て環境の整備も進んでおり、津波で被災した保育所や幼稚園の復旧が完了し、来年度から全てオープン予定です。ただ町の皆さんの生活環境面の整備という意味では、まだスーパーなどの買い物する場所がなく、決して過ごしやすい環境ではないと言えます。

これと関連して、人口数の減少が問題になっています。復興住宅の建設が進んでいるため、避難していた方が戻って来ることもあるのですが、働く場所がないために他の市や町へ若い方が移り住んでしまう状況です。
子どもの数も減っています。今、小学校1年生は1クラスで、今後もそんな状況が続きそうです。

復興工事が全て終わり、職場、商店街、ス―パーなどが整備されたときには前の賑わいが少しずつ戻って来るのかな、と思います。若い方たちにもぜひ戻ってきてもらいたい。これが一番強い願いです。
今、子どもたちは、工事の関係で公園など広い場所で遊ぶことができない状況が続いていますが、何事にも負けないで強い気持ちで生きていってほしいと願っています。
そして、自分のいる南三陸町はいい町だなと思ってもらえるようなサポートをしていきたいですね。

氏家 浩文さん
氏家 浩文さん
山根 美保子さん 保健福祉部 子ども課 子ども福祉係長 山根 美保子さん 保健福祉部 子ども課 子ども福祉係長

あれからもう5年も経ったのか、という思いが正直なところです。市内中心部では市民ホールや情報交流センターなど大きな建物の建設が進んだりするなど、見た目では復興してきている感じがしますが、海のほうに行くと道路ができていなかったりします。まだまだの面もありますね。ただ、至る所で復興工事が行われているので活気はあります。

復興住宅の建設も各地で進んでいます。この1年以内で何か所か完成を予定しており、仮設住宅からの移住も完了に向かうところですが、特に海沿いのエリアなどでは元の場所に戻るかどうか迷われている方がいるような状況ですね。内陸部の方が安心という考えで他の市へ移住していかれる方もいらっしゃいます。
子どもたちの状況で言うと、外で遊ぶことのできる場所がまだ少ないですね。子育て支援センターの中や駅の近くの公園で遊んだりはできるのですが、歩いて気軽に遊びに行ける場所が少ないという状況です。

今の小学6年生は1年生の時、5年生は幼稚園や保育所を卒園のタイミングで震災に遭い、卒園式などできなかった子どもたちなんですね。今でも当時のことを思い出すと辛い気持ちになると思います。震災は忘れてはいけない部分もあるけれど、それは心の中に置きつつ、子どもたちには前向きになってほしいと強く願っています。そしてこの先は明るいな、と感じてほしいですね。今は一回釜石を出て行った方も、復興が完了した時に戻ってきてくれることを願っています。市全体に笑顔が戻ってきたらいいなと思います。

山根 美保子さん
山根 美保子さん
小山 修さん 教育委員会 教育次長 小山 修さん 教育委員会 教育次長

東松島市は全体的に復興が加速しています。この5年間、毎日新しい家が建って住宅の明かりが次々と点いていくところを見ると、とても力強さを感じます。住民の皆さんのそれぞれのニーズに合わせた復興住宅を建設することで、仮設からの移住がスムーズに進んでいったというのは良い点ですね。そういった状況なので、仮設住宅の敷地内にある、「こどものみんなの家」の移設対応も考えているところです。市長は当初からその希望がありましたし、どこに移設するかいろいろと検討しています。

一方で、人口減少の問題はあります。特に若い方の減少が目立っているため「復興の森と森の学校プロジェクト」を始めとした、子育てしやすい環境や教育環境の整備を進めているところです。
また、各自が自由に選んだ地域で新たに暮らし始めている方も多い中、これからは境目のないコミュニティづくりを目指していきたいと思っています。市でも集会室を設けたりするなど場所の提供をしてきていますが、もっと地域の交流や自治会の活性化を図り、地域でリーダーが出て来るようにしていきたいですね。

東松島市の子どもたちには、市で取り組んでいる「森の学校プロジェクト」のテーマにもあるように、元気にたくましく育ってほしいと願っています。そしてひとりひとりがしっかりと自立できるようになっていってほしいです。

小山 修さん
小山 修さん
岡和田 忠一さん 保健福祉部 部長 岡和田 忠一さん 保健福祉部 部長

震災から5年が経ち、まだまだ戻ってきている方が少ないのが相馬市の現状です。
若い方が特に少ないですね。「世帯分離」の問題も大きいです。以前は3世代で暮らしていた家族が震災を機に一緒に住むことができなくなり、お年寄りの1人暮らしや核家族が増えている。そんな状況です。

そのため、若い世代の人たちが安心して子育てをできる環境を整えて、戻ってきてもらうことが目下の課題です。今はいろいろな場所で労働力の不足が問題になっているため、地域の子育て支援、学童や未就学児の一時預かりなどを充実させ、若い方が働きながら子育てをできる環境を充実させることでぜひ戻ってきてほしいと思っています。 また、1人暮らしのお年寄りについても、孤立をしないように共用スペースのある長屋形式の公営住宅を整備するなど、みまもり体制の強化に取り組んでいるところです。

相馬市の子どもたちには、安心して安全にこの地で暮らしていってほしいという思いがまず一番ですね。そして相馬のために何ができるか、そういう思いを持ってほしいです。
私たちもそんな未来を担う子どもたちのために、教育に関しては最大限力を尽くしていきたいと思っています。いただいた支援を最大限に活用して、これからの相馬市を活性化させていきたいですね。

岡和田 忠一さん
岡和田 忠一さん
山田 祐子さん 健康福祉部 男女共同こども課長 山田 祐子さん 健康福祉部 男女共同こども課長

震災から5年が経ち、人口が戻ってきたり各所で工事が進んでいたりと南相馬市も少しずつ活気を取り戻しつつありますが、まだ復興が進まない印象がありますね。避難指示が解除になっていない地域もありますし、みんなジレンマを抱えながら過ごしているんだろうなと感じています。今、南相馬市にいる方は、いろんな悩みがありつつ、ここにいる決断をして住んでいるんだと思います。この土地への愛着があるんです。

子どもたちは、震災の影響なのかもしれませんが、子どもらしさを出せないでいる子がいるように感じます。みんなが辛い経験をした中、地域の希望と期待され過ぎて気が抜けないのかもしれませんね。そんな子どもたちに、もっと楽しい経験をいろいろさせてあげたい。大人に気を使わずに思う存分遊んでほしいと思っています。市では、子どもたち向けの遊びイベントや事業を推進する団体への支援も積極的に行う計画があり、ソフト面での充実も図ろうとしています。鹿島地区に建設中の「みんなの遊び場」も、子どもたちだけでなく大人たちも元気になれるような、地域の拠点として活用されるようになっていったら素敵ですね。

避難して帰還する方、新たに転入する方、いろいろな事情の方がいらっしゃいますが、ここで子どもを産んで育てるという決意をしてくださった方に本当に感謝しています。これからも、ここで子育てをして良かったと思ってくださるような支援をしていきたいと思っています。

山田 祐子さん
山田 祐子さん
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