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イベント民泊への挑戦を後押ししてくれた、エアビーの手厚いサポート

2019年12月18日掲載

2019年9月から11月にかけて日本中が盛り上がったラグビーワールドカップ2019日本大会。その開催地となった熊本県では、国内外から多くのラグビーファンが集まることで起こりうる宿泊施設の不足を予測して、Airbnbと提携し「イベント民泊」を実施した。
イベント民泊とは、年数回程度のイベント時に、開催地の自治体の要請等により一般家庭の空き部屋などを提供するプロジェクトだ。
熊本県のこの試みは大成功を収め、多くのゲストとホストが「忘れられない思い出になった」という声を寄せているという。そこで、今回ホストを経験した2組のご家族にお話を伺った。

三好重夫さん

最初にお話を伺ったのは、熊本市内でカヤックフィッシング関連会社「オーシャンアドベンチャー」を経営されている三好重夫さん。
今回のイベント民泊では、奥様と3歳の息子さんと家族全員でゲストを迎える準備をしたという。家族で海外旅行をする機会も多いというアクティブなご一家だ。

三好さんがホストになったきっかけは、ご自身の旅の経験だという。
「数年前に家族でアメリカを旅行した時に、Airbnbを利用して一棟貸しの家に宿泊しました。普通の宿とは違って暮らすように滞在することができ、とてもいい思い出になったんです。その後も何度かAirbnbを利用するうちに、いつか自分もホストになってみたいと思うようになりました。しかし同時に、ホストになることはハードルが高いとも感じていたんです」
ホストになるには、住宅宿泊事業法(民泊新法)に則った設備や業務フローを整えるなど、さまざまな条件をクリアしなくてはならない。迷っているうちに数年が過ぎたという。
「そんなときに熊本でイベント民泊をやるというニュースを見て、やってみようと思いました。息子にも国際交流をさせたかったですし、家族全体が力を合わせるプロジェクトとして国際的な大イベントに参加してみたいと考えたのです」

行政主導で様々なことを丁寧に教えてくれたイベント民泊は、ホストになるハードルを下げてくれたと話す三好さん。
「自分だけでゼロからホストになるのは大変。でも、Airbnbの方がサイトへの登録方法や、掲載に適した写真の選び方、火災報知機などの必要な設備、ゲストへのおもてなしなどについて細かくアドバイスしてくれて、とても助かりました」

ホストになることが決定したあとは、奥様が企画、旦那様が営業という役割分担で、ソフト面(おもてなしの内容)、ハード面(道具や設備等)両方の準備を進めていったという。
「自分たちが気持ちいいと感じるオーガニック素材のリネン類を選んだり、妻が職場からコーヒーマシーンを持ってきたり。自宅にいるようにくつろいでいただけるといいな、と思い色々と工夫しました」

実際に宿泊したゲストはウルグアイの選手のご両親とご兄弟、合わせて5名。一緒に食事をした時間がとても印象的だったそう。
「イベント民泊は料理したものを提供することはできませんが、バーベキューなどにゲストが参加することは可能なんです。そこで、もともと自宅に設置していたバーベキューグリルを活用し、熊本の赤牛を一緒に食べることにしました。サーロインを準備していましたが、サシが入っているものを好まないとのことで、急遽、赤身の肉を用意。とても美味しそうに召し上がってくださり、幸せな時間でした。ご夫妻はとてもあたたかいお人柄で、ご兄弟たちも息子をかわいがってくれました」

三好さん宅のベランダにあるバーベキューグリル。横にあるのは、コーヒーのドリップマシン。

ホームシェアリングの魅力は「家に遊びに来た」ような感覚があることだという。
「リビングを共有して、まるで家族のように過ごせたことがとてもよかったです。みなさんスタジアムに行かれていた時間が長かったですが、もっと一緒に過ごしたかったと言ってくださいました」

選手ファミリーとの記念写真。彼らは畳の部屋に布団で寝起きし、その体験も新鮮だと喜んでいたという。

「これから私も、本格的にホストにチャレンジしたいと思っています。将来的には、家だけでなく、カヤックフィッシングの体験プログラムを提供して、本当に美しい天草の東シナ海を案内したいと考えています」

今でも息子さんは、「英語のおにいちゃん、来ないの?」と聞いてくるそうだ。
「息子は肩車をしてもらったりして本当に楽しかったようです。今度、家族でウルグアイに行こうと本気で計画を立てています。イベント民泊では、国際交流という一言では言い表せないくらいの経験をしました。寝食を共にできるからこその、心と心の通じ合い……人間同士のつながりができたと感じています。今回参加して、本当に良かったと思っています」

宮田敏春さん・美代子さん夫妻

次にお話を伺ったのは、宮田敏春さん・美代子さん夫妻。
お二人とも熊本県出身で、転勤で離れた時期を除き、50年以上も熊本で暮らしている。

「フィンランドでファームステイをした経験があり、自分も同じようなことをやってみたいと思っていたんです」と話すのは旅行好きの奥様、美代子さんだ。
さらに、お子さんたちが独立したことや、地元で開催される国際的なイベントに深く関わりたいという思いも応募理由だったという。
「熊本に世界中から人が集まる機会は、そう滅多にありません。何らかの形で関われたらいいなと思っていたときに、地元のフリーペーパーで『イベント民泊』と『Airbnb』という単語が目に留まりました。どちらも知ってはいましたが、都会の人が都会で行うものだというイメージがあって。でもそれが熊本でも行われるのだと知り、とてもワクワクしたんです」(美代子さん)

「英語力にも自信がないし、家も普通だから、自分たちにはできないのではないか」と躊躇していたが、まずは熊本県とAirbnbが合同で開催するホスト希望者向けのセミナーに参加してみることにした。
「話を聞いてから決めようと思って参加しました。そこで、ホストになるために必要なのは主に宿泊場所を提供することだと伺って。それなら私たちにもできると思ったのです」(美代子さん)

宮田さんのお宅周辺はのどかな田園エリア。

セミナーでホストになる決心がついたように、今回のホスト経験は、Airbnbと連携したイベント民泊だからこそチャレンジできたことだと宮田さんは強調する。
「いろいろと不安がありましたが、Airbnbの方が、接客方法や基本的な英語を教えてくださったり、通訳の派遣方法についてもサポートしてくださいました」(敏春さん)
さらに、Airbnbの相互レビューシステムも安心要素のひとつだったそう。
「Airbnbにはホストとゲストが相互に評価するシステムがあり、宿泊してくださる方のレビューを事前に見ることができました。今回のゲストは、多くのホストから“よいゲスト”という評価を得ていた通りとても気持ちのいい方で、よい時間をともに過ごすことができました」(敏春さん)

ゲストを迎え入れるために、美代子さんはインテリアを整え、敏春さんは水回りなどの掃除を担当したという。
「まず準備したのは、布団などの寝具類です。それに加えて、海外の方に喜ばれるかなと思い、ひな人形やぼんぼり型のライトなども飾りました」(美代子さん)

部屋には美代子さんが趣味で半年以上かけて作成したステンドグラスの作品もディスプレイ。施設紹介のページにも、アイコン的に掲載した。

また、外国人旅行客は自転車で移動することが多いと知り、2台の自転車を用意。
「宿泊されたのはフランス人のカップルだったのですが、彼らは自転車に乗って15kmも離れたスタジアムまで楽々と移動されていました。ありふれた一般的な自転車ですが、活用してくださって嬉しかったです」(敏春さん)

実際にゲストを迎え入れてみて、とてもいい国際交流ができたと話す宮田さん夫妻。
「ゲストの方と居間でビールを飲みながらラグビーの試合を観戦したことは、忘れられない思い出になりました。日本のチームを応援してくれたんです。それが嬉しかったことを言葉では伝えられませんでしたが、ボディランゲージでもなんとか、伝えられるものですね(笑)」(敏春さん)
「今は夫婦で民泊ロス(笑)。また誰か来てくれないかな、と思っています」(美代子さん)

おすすめスポット

  • 江津湖

    江津湖

    「熊本県を代表する名水地です。カヤックもできますし、市内からのアクセスも抜群。美しい自然と四季の移り変わりを感じられる、おすすめのスポットです」(三好さん)
    http://www.ezuko-park.com/

  • 熊本城

    熊本城

    「熊本地震(2016〈平成28〉年4月)で瓦が崩れ落ちるなど、熊本城は大きな被害を受けました。今は、天守閣の大天守や石垣などが復旧しています。熊本のシンボル的な存在です」(宮田さん)
    https://kumamoto-guide.jp/kumamoto-castle/

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