人と地域に寄り添った専門的サービスをAirbnbと展開

SATO行政書士法人
東京オフィス副所長 今城貴愉さん

2018年3月15日掲載

今、多くのホストの方々が悩んでいる、2018年6月15日に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)。多くの方が「今までの民泊事業はどうなる?」「継続のために必要なことはなに?」「180日規制でも利益を維持できる方法はないのか?」など様々な疑問が生まれている。そんなホストの皆様のお悩みに応えるのがAirbnbのオフィシャルパートナーであるSATO行政書士法人。法律の専門家の立場から、ホームシェアリング事業をサポートする。今後、安心・安全に民泊事業を継続・新規参入していくにはどのようなアクションを取ればよいのか、詳しく伺った。

東京と札幌の2つの拠点をメインに持つSATO行政書士法人。こちらは2012年4月に開設した東京オフィスの様子。
東京と札幌の2つの拠点をメインに持つSATO行政書士法人。こちらは2012年4月に開設した東京オフィスの様子。

専門家の立場からホームシェアリング事業をサポート。民泊無料診断、コールセンター、Web問合せ、ホストに代わって行政手続きサービスまで

Q:まずは、SATO行政書士法人とはどのような組織かお聞かせください。

SATOグループは、創業40年の実績と品質を誇る業界最大級の規模があります。グループとして、全国各地に拠点があり、総従業員数約1300名が在籍しております。SATO行政書士法人は東京と札幌に拠点があり、主に各種許認可の行政手続サービス、外国人のビザ取得及びコンサルティングなどを取扱う専門家集団です。

Q:今回、Airbnbとの提携に至った経緯を教えてください。

もともと、Airbnb Japan代表取締役の田邉社長とSATO行政書士法人代表の佐藤が2015年に出会ったのが始まりで、日本における健全な民泊事業の普及について、民泊に適した新たな法律が施行されることを想定して、頻繁に意見交換をしていました。私達は、宿泊施設の許認可手続は創立時から手掛けており、豊富な経験と実績があります。また、全国各地の手続を扱っているので、法律だけでなく条例についても詳しいです。そんな背景から、民泊新法の動向に注目していたこともありましたが、昨年10月にAirbnbから法的手続のサポートやセミナー講師の依頼を受けたのがスタートです。

Q:ホームシェアリング事業におけるSATO行政書士法人の役割を教えてください。

ホームシェアリング事業は、法律に則った運営をしていくことが大切です。この事業に関係する法律は大きく2種類あり、ひとつは住宅宿泊事業法(民泊新法)、そして旅館業法の中の簡易宿所営業です(一部の地域では特区民泊の取り組みあり)。民泊新法では年間営業日数が180日に制限されますし、一方で簡易宿所営業となると、許可要件や運営に向けた設備投資などハードルが高いものとされています。このどちらを選択することが適切なのかというのも、法律の専門家でない人には難しい問題です。ほかにも、都道府県等の条例が複雑に絡み、多くのホストの方が「これからどうすればいいの?」という状況に陥っています。法律の専門家の視点から、ホストの方の目的に合わせた的確なアドバイスを行い、ひとりでも多くのホストの方が、民泊新法施行後も事業が継続できるよう、また新規のホストの方がスムーズに民泊事業に参入できるようお手伝いをすることが、私達に与えられた使命です。

ホームシェアリングラボと呼ばれる既存・新規ホストを対象としたセミナーをAirbnbと提携して全国各地で行っている。セミナーは予約制で、既に満席がでている回もあり好評だ。
ホームシェアリングラボと呼ばれる既存・新規ホストを対象としたセミナーをAirbnbと提携して全国各地で行っている。セミナーは予約制で、既に満席がでている回もあり好評だ。

Q:現在すでにAirbnb上のコミュニティページでもホストの皆様と情報交換をされていますね。現在すでにスタートしているサービス、また、これからどんなサービスを行っていきますか?

Airbnbにおけるホームシェアリング事業の新規参入や運営継続のためのセミナーを、2018年の3月末までに60回ほど行っていきます。ネット上では、民泊サポート特設サイトを開設し、民泊無料診断サイトを立ち上げました。行政手続サービスのサポートサイトも非常に好評で、3月15日から6月15日に向けて民泊新法の各手続がスタートしますが、一定時期を設けて事前申込を締切る可能性も出てきましたので、早期のご依頼を推奨しております。また、『SATO行政書士法人ホットライン』として、民泊事業について、行政書士へ直接相談できるコールセンターも開設しております。他にもホストの方のニーズを反映したさまざまなサポートを展開していきたいと考えています。

「すべての方が安心・安全に民泊事業を運営できるようサポートするのが私達の使命です」と語る東京オフィス開設にも携わった今城氏。現在は、日本最大規模の社会保険労務士法人や上場企業2社を含む、数多くのグループ組織を持つSATOグループ。創業40年、従業員数約1300名を抱える非常に歴史のある組織となっている。
「すべての方が安心・安全に民泊事業を運営できるようサポートするのが私達の使命です」と語る東京オフィス開設にも携わった今城氏。
現在は、日本最大規模の社会保険労務士法人や上場企業2社を含む、数多くのグループ組織を持つSATOグループ。創業40年、従業員数約1300名を抱える非常に歴史のある組織となっている。

Q:すでにたくさんの方からお問い合わせが来ているかと思いますが、本サービスの利用者のターゲットをお教えいただけますか?

そうですね、すでに既存のホストの方からは、条例で定める日数制限や区域制限について悩まれているケースが多く、どのような手続が相応しいのか?との問い合わせをいただいております。6月15日までに、ホストの方は何らかの手続きを取らなければ、民泊事業の運営は今後、厳しくなっていきます。私達はこれまで、旅館業法に関係するホテル等の宿泊施設の許認可手続を多数取扱ってきました。自治体への手続サービスだけでなく、手続に関連する建築基準法、都市計画法、消防法、食品衛生法などについても詳しいです。そのような経験と知識は、既存のホストの方、新規参入されるホストや住宅オーナー、不動産会社などを問わず、すべての皆様のお役に立てると確信しています。まずは気軽に相談してほしいと思っております。

Q:今後の展望についてお聞かせください。

健全な民泊運営のための法的サポートだけでなく、ホストの方の利益を維持していけるように多様なアドバイスも行っていきたいと考えています。そのために、ホストの方の貴重な体験談や悩み事など運営実態に基づいた知見を今後も広げていきたいですね。こういった積み重ねが、ホストの方のメリットになるだけでなく、日本におけるホームシェアリング事業の健全な普及にもつながっていくと確信しています。

行政書士から学ぶ民泊新法(住宅宿泊事業法)概要説明
行政書士から学ぶ民泊新法(住宅宿泊事業法)概要説明
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SATO行政書士法人 SATO行政書士法人

SATO行政書士法人
1977年に行政書士事務所からスタート。現在はSATOグループとして、日本最大規模の社会保険労務士法人や上場企業2社を含む、数多くのグループ組織を持ち、総従業員数約1300名を抱える。2012年4月には、SATO行政書士法人 東京オフィスを開設。主に各種許認可の行政手続サービス、外国人のビザ取得及びコンサルティングなどを取扱う専門家集団。

SATO行政書士法人×Airbnb
SATO行政書士法人とAirbnb Japan株式会社は、ホストの法令遵守意識向上のための啓蒙及びホストの住宅宿泊事業法における届出等を含む法令遵守の支援を目的として覚書を締結しました。啓蒙活動としては1月~3月末に渡り全国で合計60回以上の講習会を実施。また法令遵守支援としては住宅宿泊事業を営むことを検討しているホストが住宅宿泊事業に関する疑問を問い合わせる事が可能な電話窓口を設置。今後ホームシェアリングは個人のみならず法人も参入することが見込まれ、法令遵守のための更なるサポートを強化する予定になっています。