未知の波を求めて気の知れたサーフメイトと異文化を彷徨うサーフトリップは、いつの時代もサーファーにとっての一番の関心事。そのディスティネーションが遠い海外であれ、身近な国内であれ、そこで得られる刺激は何ら変わらない。その土地の食や風土、地元の人たちとのコミュニケーション。そして、朝起きるとすぐ目の前にあらわれる、朝陽で輝くサーフ・ブレイク。あぁ……、まるで夢のようなこのシチュエーションを実現させてくれるリスティングを、なんと首都圏で発見してしまったのだ。えぇ!?
今回、Blue.はそのリサーチを、プロサーファー、ブランドプロデューサー、DJなど多方面で活躍する時の人、湯川正人さんにお願いした。すると、「せっかくなんで、サーファーの友人、それに後輩の女の子たちも誘いましょう!」と、各方面に声をかけてくれた。集まったのは、一宮ローカルで海外でのコンペも転戦する塚本勇太プロ、湯川さんの後輩でなんとDJもこなす加瀬恵里花さん、モデルとして活躍する高橋かずみさん。ちょっとなんだかセレブな面々が千葉北のサーフィンのメッカ、東浪見に向かったのだ。
日常の喧騒を逃れて、やりたいことにどっぷりハマれるサーフトリップ。まずはサーフィンをしないとなーんにも始まらない!というわけで、はやる気持ちを抑えるのにBluetoothのスピーカーをオンにして、サーフボードにゆっくりとワックスを塗りながら海の様子をうかがう湯川さんと塚本さん。波のサイズは小さいながらも、そこはさすがのプロサーファー。ふたりとも、形の良いセットを選んではクリティカルなライディングを披露して、周りのサーファーたちを沸かせていた。
今回お世話になるリスティングは、広いテラスと芝生のガーデンが魅力のカントリーハウス。1階は吹き抜けのリビング、2階は寝室になっていて、その上ガレージに遊び道具まで付いている。「なに、この開放感? エアビー、もっと早く使ってればよかった!」と4人は大盛り上がり。女の子たちがシャワーを浴びている間に、湯川くんたちは近所で人気のコーヒースタンド「ポート・オブ・コール タイトウビーチ」で喉を潤したり、リビングのゆったりソファーでみんなでTVゲームを楽しんだりと、天候に左右されないリラックスした滞在が楽しめそう。
ランチがてら、今夜の食材の調達へ。「郷に入りては郷に従え」がサーフトリップの鉄則だ。直売所「なのはな」(住所:千葉県いすみ市日在1181 TEL:0470-64-0502)や、鮮魚店「魚平」(住所:千葉県長生郡一宮町東浪見5146-1 TEL:0475-42-3737)は、平日にもかかわらず地元の人々で大賑わい。イコール、良質な食材が揃っているというわけ。朝穫れの新鮮な地元野菜やフルーツ、近くの漁港で水揚げされたばかりの旬の魚介類、それにビールをしこたま買い込んで、サンセットタイムのBBQになだれ込む……!
オシャレな料理も良いけれど、サーファーならワイルドに直火でしょ!と、ガレージにストックしてあるBBQ台を庭に運び出し、炭に火を熾す。「チアーズ!」。サンセットと日焼けとほろ酔いに染まるみんなの笑顔は、満足度200%。火の上では美味しそうな香りを放つ、さっき買ったばかりの野菜や魚介が香ばしく焼きあがる。「なにこれー、甘ーい!」、「プリッぷりー!」。本当の贅沢とはこういうことを言うのですな。DJとしても活躍する湯川さんと加瀬さんのムーディーな選曲で、ゆったりとリラックスしながら夜は更けてゆく……。
午前4時。ベッドでぐっすり眠る女の子たちを尻目に、湯川さんと塚本さんはサーフボードを小脇に抱えて朝陽が昇る前のビーチを目指す。どれだけ長くサーフィンを続けていても、またどの土地でサーフィンするにしても、朝イチの1ラウンド目はいつでもちょっとだけスペシャルだ。しかも、ポイントまで歩いてすぐの“極”海近リスティングなら、めいっぱい朝イチサーフを楽しんで戻ってきても、チェックアウトの時間までまだまだある。みんなでゆったり朝食まで満喫してから出かけたい。
太東ポイントにほど近いコーヒースタンド。丁寧にハンドドリップで淹れてくれるコーヒーやカフェラテが人気で、ハンバーガーやホットドッグといったライトミールも美味。旬のサーフアパレルやグッズのショッピングも楽しめる。
住所:千葉県いすみ市岬町中原192-3
TEL:0470-64-6677
海風を感じられるイタリアン・カフェ。ピザとパスタをメインに、アペリティフも充実。自慢のデザートは、その多くが自家製というこだわり。そして、食事も然ることながら、緑豊かなガーデンやカフェ空間の佇まいもグッド!
住所:千葉県長生郡一宮町宮原237-2
TEL:0475-42-7617
海からほど近い温泉スパ&リゾート。天然温泉の露天風呂をはじめ、展望プールや岩盤浴、エステなど、多彩な癒しメニューが満載。また、食事もできるので、アフターサーフの帰り道にぜひ寄ってもらいたい。
住所:千葉県長生郡長生村一松3445
TEL:0475-32-5550
湯川正人さん
コンペティション・サーフシーンを退き、日本を代表する若きフリーサーファーとして才能を開花。サーフィン、DJで国内外をまわり、メディアへの露出も多いだけに、海外のファンも多い。また、時計ブランド『ALIVE』の代表兼プロデューサーを務めるなど、多方面で活躍中。
Blue.
「サーフィンはライフスタイル」をテーマに、ファッションからカルチャー、旅に至るまで、SURFINGをさまざまな角度から見つめるサーフサイド・スタイル・マガジン。その多彩なコンテンツで、今もっとも多くのサーファーのライフスタイルに影響を及ぼしているメディア。2007年創刊。奇数月10日発売。
URL:http://www.blue-mag.com/