- 南三陸町での建設
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私たちにどんな支援ができるのか。その答えを探しにいくつかの被災地を訪問しました。そして2011年4月に南三陸町にお伺いし、佐藤町長や地元商工会の方とお話することができました。
南三陸町は宮城県北東部にある海山が一体となった町。津波で壊滅的被害を受け、町の約8割が失われました。そんな状況の中でも、復興に向けて力強く一歩を踏み出していた町の方々。経済復興することが真の復興につながると、震災直後から町のイベントやお祭りなどの経済復興施策を計画されていました。それは「日本経済も元気になるような支援」をめざしていた、私たちTポイントも同じおもい。お話を聞き、町にふれ、力強さを感じたことで、「この町の支えになりたい」という気持ちが固まり、南三陸町に1館目の児童館を建設することが決まりました。
- 建設にあたって
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こうして、7月から8月、児童館建設を行いました。建築、デザイン、内装、遊具等児童館建設の全ての工程において、地域の方々と一体となって児童館をつくりあげていきました。
- 児童館完成
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2011年9月5日、ついに児童館が完成し、竣工引渡式をおこないました。スペシャルサポーターとして、土屋アンナさんも参加。アンナさんはご自身も2人のお母さんであり、プロジェクトの主旨に賛同されて式に参加してくださいました。アンナさんと子どもたちは一緒に大合唱。元気いっぱいに歌う声が児童館に響き渡りました。
楽しそうな子どもたちのようすに、その場にいた大人たちも胸を打たれ、みんながひとつになった瞬間でした。
いまこの児童館は、子どもたちの遊び場としてだけでなく、保護者の方々や地域の方々がこの児童館に集い、語り合う場としても活用されています。
- 釜石市唐丹地区での建設
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2館目の建設地について、被災地の児童館の状況を把握されている財団法人児童健全育成推進財団にご協力いただきながら協議をかさね、候補にあがったのが、震災でいくつかの児童館がなくなってしまった釜石市。児童館の建設にあたってはさまざまな条件を考慮する必要がありましたが、釜石市と何度も話し合い、なんとか調整することができました。
市内には児童館が必要な場所がいくつかありましたが、協議の結果、沿岸部に大きな被害が出た地域のひとつ、唐丹町に児童館を建てることに。唐丹地区は市の中心部から車で20分ほど行った、唐丹湾に面した入江にある小さな町の集落です。漁港や小学校、中学校、そして児童館も地震と津波の被害を受け、唐丹中学校の校庭に仮設の中学校と小学校とともに児童館を建設することになりました。
- 建設にあたって
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南三陸町の児童館と同様に、一つ一つの工程を市や先生方と確認しながら建設を進めていきました。
また、寒さ対策に風除室を設置したり、ストーブを設置したりと、地域の方々の希望も取り入れました。
- 児童館完成
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2012年1月30日、唐丹地区の方々が心待ちにしていた児童館が完成。2月9日には、オープンを待ちわびている子どもたちと、協力いただいた方々へのお披露目も兼ねた竣工引渡式を行いました。
初めて足を踏み入れた子どもたちはみんな興味津々、目はキラキラと輝いていました。そんな子どもたちを見ている地域の方々も思わず笑顔に。
建設にあたっての話し合いをする中で、「地域の人々の交流の場としても児童館が必要」と話されていた釜石市。南三陸町での児童館建設を通して、地域の人々の交流の場が必要であることを感じていた私たちは「この児童館が地域に暮らす皆さまの笑顔が咲く場所にもなってほしい」と、竣工引渡式でそのおもいを改めて強く感じました。
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2011年10月1日にオープンした「南三陸町 みんなの児童館」。
児童館で働く及川和枝先生よりコメントをいただきました。
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皆さまのご支援のおかげで、平成23年10月よりTポイントの第1館目となる児童館、「南三陸町 みんなの児童館」にて、放課後児童クラブ(学童)、子育て支援センターを再開することができました。それまでの施設は津波で全部流されてしまい、子どもたちの遊ぶ場所がなくて困っていました。
児童館の、のびのび遊べる空間には、たくさんの絵本、おもちゃ、大きなスクリーン、DVD、砂場等々があって、学童の子どもたち、子育て支援利用親子、職員も安心して過ごせる場所になっています。“出会い ふれあい つながる”地域のひろばとなっています。
オープンしてから「南三陸町 みんなの児童館」では、安全教室、芋煮会、年末お楽しみ会、餅つき会、まめまき、手作りピザ、ひな祭り会、コカリナ演奏会、クリスタルボウルセラピーの開催、ミシン、編み物、ジャム作りなどの手作り教室の活動を行ってきました。こういった活動を通じて子育て仲間の交流が生まれ、地域の皆さんに楽しんでいただいています。
Tポイントの皆さま、全国の皆さま、ご支援や励まし、ありがとうございます。皆さまの温かい気持ちがつながり、広がっていることを感じています。こういう場があることが、本当に助かっています。
「南三陸町 みんなの児童館」を通して、元気な学童、元気な子育て親子になれるように、季節を感じながら、生きる力も共に学べる場所にしていきたいと思います。
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2012年2月13日に2館目としてオープンした「釜石市 みんなの唐丹児童館」。
児童館で働く及川一美先生よりコメントをいただきました。
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平成23年3月11日、東日本大震災により唐丹児童館は跡形もなく、すべて流されてしまいました。
震災後1カ月くらいは、何も出来ず閉館したままでしたが、少しずつ復興するにつれ徐々に学童クラブの必要性が求められるようになり、4月中頃、隣町の平田学童育成クラブを間借りして開設できることとなりました。その後7月より、以前使用していた児童館を直し、地元である唐丹で児童館を再開することができるようになりましたが、狭く、部屋数も足りていない状況で、子ども同士が遠慮しながら過ごしていました。
そんな時、Tポイントの皆さまより、釜石市に児童館を建てようというお話を頂き、唐丹町に児童館を建設していただきました。そして平成24年2月13日に、心待ちにしていた児童館がオープンを迎えることができました。
今まで遠慮しながら過ごしていた子どもたちが、自分たちの居場所ができたことで気兼ねなく過ごせていることに感謝しています。今、子どもたちは毎日楽しく、元気に過ごしています。本当にありがとうございました。
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