復興に向け懸命に前に進んでいる方々のために、長い目で支援をしていきたいという想いで建設された「こどもの遊び場」3軒目。
震災で被害を受けた方々の仮設住宅での暮らしが続くなか、より人間的で居心地の良い場所を提供したいと「みんなの家」プロジェクトを推進されていた建築家の伊東豊雄さんと共に取り組みをはじめた1軒目の建物です。
建築場所として選ばれたのは、2012年当時、宮城県東松島市で一番大きな仮設住宅の敷地内。
利用いただく住民の皆さんと話し合いながら、目的の違う小さな家々が集まり、縁側を通って行き来できる、一つの小さな町のような家を考えました。
小さな家は全部で3つ。
子どもたちが絵本を読んだり、演劇のステージとしても使え、移動もできる「お話と演劇の家」。
宿題をしたり、大人数でも一緒に食事ができる「テーブルの家」。
土間やキッチン、薪ストーブがある「あたたかい家」。
仮設住宅敷地内という場所の特性も考え、機能的で見た目にも楽しくつくられた建物。
子どもたちはもちろん、大規模な仮設住宅に住まうみんなが笑顔になれる建物になりました。
よろこばしいことに、2016年3月現在、『こどものみんなの家』が建つ「応急仮設住宅グリーンタウンやもと」から、恒久住宅にお引越しされる方が増えています。
そのため、現在の場所での「こどもの遊び場」としての役割は終わりを迎えつつあります。
ゆくゆくは、近隣の保育所・幼稚園・学校・公園などへの移設を市で検討いただき、新しい場所で子どもたちの笑顔をつくる役割を担っていく予定です。